MANDOBA 自然のめぐりが醸す酒

2024/02/04 18:35

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のつづき


◯竹田酒造の10代目 春毅さんとの出会い

こうして丹精込めて育てた棚田米を商品化し、たくさんの方に届けてきました。その中で、私たちの米や里山の価値をさらに深く、土地のストーリーとともに楽しく味わっていただきたいと思い、2023年の春に完成したのがMANDOBAという日本酒です。

酒造りができるきっかけとなったのは、同じ上越市内にある酒蔵「竹田酒造店」との出会いです。私たちの想いを聞いてくれた友人で、新潟の気鋭の酒屋「わたご酒店」の寺田さんが、私たちと竹田さんをつないでくれたのです。以前より「生酛の酒造りに取り組んでみたい」と思っていた竹田酒造店の10代目となる春毅さんと、「無農薬で栽培した酒米を酒にしてたくさんの人にとどけたい」というUSTYLEの願いが重なり、両者のコラボレーションでプロジェクトが実現しました。

最初から酒造りありきでは無く、安塚で土づくりの段階から稲作に向き合って様々な取り組みを継続し、里山を未来につなぎたいという想いを多くの人に伝え、発信しつづけて辿りついたのが、生酛での酒づくりでした。


竹田酒造の10代目 竹田春毅さん


◯生命力のあふれる貴重な米の“素材の力”を、最大限活かすための選択

酒造りにおいても、米づくりへの想いをそのままに、自然の作用を取り込んだ造り方に最後までこだわりました。通常の酒造りで人工的に添加する乳酸や酵母を一切入れず、蔵の中にいる乳酸菌や酵母が自然に樽に入り、発酵するのを待つ製法です(生酛造り、酵母無添加)。昔ながらの製法で、現代で行なっている酒蔵は限られています。醸造の難易度は高い一方、より複雑で深みのある味わいを生み出すことができると言われています。

醸造を担った竹田酒造の春毅さんにとっても、生酛づくり、酵母無添加の酒づくりは初めての挑戦でした。蔵の中にいる目に見えない菌に祈る、まさに神に祈るような気持ちでの酒づくりです。両者の願いが実って醸造はうまくいき、お酒は完成しました。


濃醇で深みのある味わい

生酛・酵母無添加ならでは濃醇で深みのある旨味と、口の中で華やかに変化する、果実感を思わせる甘美な香り。米の甘さを活かした竹田酒造ならではの旨口の味わいに、生酛・酵母無添加の奥深さが加わっています。贅沢な香りと旨味を、ワイングラスで愉しんでいただくのもおすすめです。米の旨みを活かした旨口の酒造りを得意とする竹田酒造に出会えたことは、この酒のコンセプトを味で表現するにおいて、とても幸運なことでした。



◯万燈場(マンドバ)の名の由来

MANDOBAの名は、酒米・五百万石を栽培する田圃の名「万燈場(マンドバ)」に由来します。

安塚・大原集落の山を、奥へ、奥へと登っていくと姿を現す、万燈場。棚田群の一番奥にある天水田です。
康元元年(1256年)、峰向こうにある古刹・専敬寺の36世円道和尚が親鸞聖人の弟子となった事から浄土真宗に改宗し、それまで使っていた器物や経文を土中に埋蔵したことから「万燈場」と呼ばれるようになったと言われています。

万燈場


里山の四季の営みを埋め込んだ、5種類展開

MANDOBAは、飲む人が安塚の里山の季節や営みを少しでも感じながら楽しんでほしいと思っています。そのため、同じ仕込みから味わいの変化が楽しめる5種類の日本酒をつくり、それぞれに安塚の里山の季節や営みに由来するタイトルや願いを込め、その時季にあわせて順次リリースしています。

春|芽出  初夏|田休  夏|出穂  秋|刈上  冬|越冬



◯芽出(春)


[里山の営み]
春の気配とともに雪が緩み、田植えに向けた準備が始まる頃。種もみを取り出し、選種などを経て芽出しをします。

[酒の特徴]
春の里山の生命力を表現
・さわやかな微発泡

・直詰/生酒(要冷蔵)



◯田休(初夏)

[里山の営み]
田植えを終えると行われる「田休みの節句」。笹餅や朴の葉赤飯が神棚や仏壇に供えられ、酒を酌み交わし英気を養います。

[酒の特徴]
フレッシュな山の恵みを表現
・生酒の風合を残したフレッシュ感
・生貯蔵/1度火入



◯出穂(夏)


[里山の営み]

8月上旬から下旬にかけて茎の中からさやを割って薄緑色の穂が出てきます。
早朝、露をたたえた美しい穂を眺めながら、その年の作柄を左右するこの時期の好天を、天に向かって祈ります。

 

[酒の特徴]
若い穂が伸びやかに育つ頃の爽やかな夏空を表現
・にごり(ロックやソーダでもおいしい)
・2度火入



◯刈上(秋)


[里山の営み]

山の粘土質の田んぼの稲刈りは、機械化が進んだ今でも簡単ではありません。昔は、稲刈り、稲背負い、はさかけ、脱穀と、稲を米にするまでの過程すべてが手作業で行われていました。昔も今も、刈上はその1年が報われる、何にも変えがたい喜びです。

 

[特徴]
・イメージ:一年で最も米に恵まれる時期、米の香りをふくよかに愉しむ
・常温や燗でもおいしいふくよかさ
・2度火入



◯越冬(冬)


[里山の営み]

田んぼ仕事がひと段落する晩秋、冬を迎える準備に入ります。
雪国ならではの「雪室」を活用した貯蔵もそのひとつ。

MANDOBA - 越冬 -」も安塚にある雪室で数ヶ月熟成させ、味わいを深めます。

 

[特徴]
イメージ:もっとも上質なところを雪室で熟成させた特別な1杯
・雪室熟成
・ベストな中取り
・1度火入




ラベルへのこだわり

ラベルデザインにおいても、「土づくりからこだわった、里山の営みを伝える酒」であることを伝える表現を目指しました。

 

・万燈場(マンドバ)の泥の模様を取り込み、背景のモチーフに

土づくりから深くこだわった日本酒MANDOBA。米を栽培している圃場「万燈場(マンドバ)」の泥を紙に塗ったくり、その模様を取り込んで、ラベルの背景のモチーフに使用しました。



・篆文(てんぶん)の書体をアレンジし、里山の営みを表現

かつての古い中国で用いられていた書体「篆文」をアレンジして使用し、各季節の里山での営みや自然を、造形的に表現しました。




MANDOBAへの評価

◯クラウドファンディングで達成率1500%を超える支援を集めました

完成したMANDOBAはクラウドファンディングMAKUAKEにて先行販売を行い、達成率1500%を超えるご支援をいただきましたhttps://www.makuake.com/project/u-style-niigata/ )



◯アメリカのバイヤーからの高い評価

20237月、新潟県主催の商談会に応募し、ニューヨークなど第一線で活躍するアメリカのバイヤーの視察を受け、MANDOBAPRを行いました。原料米を栽培している圃場「万燈場(マンドバ)」に案内し、その場でテイスティングをしていただきました。「エレガントで深みのある味わい」「美しく魅力的なラベル」「これこそ日本のテロワール」などの大変高い評価のコメントをいただきました。



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